フロントフォークオーバーホール・その3
2017年10月23日
台風21号が通過、しばらくぶりの晴れ。ついにフロントフォークを取り付ける。
まずはアウターチューブの底のソケットボルトの交換。緩めるときに少しなめてしまっていた。この先オーバーホールすることもないだろうからそのままでもよかったが、せっかくなので左右ともワッシャーとボルトを新品と交換。ここにはネジロック剤を使用することになっている。ケイヨーデイツーでロックタイトの弱いやつを購入。一滴つけて手で締め込んだ。ロックタイトをネジにつけたら、しばらくおいて硬化させてから使う説があるが間違い。ロックタイトは塗り付けただけではすぐには固まらない。締め込んで空気が遮断されると固まるので、塗ってから時間をおかず締め込むのが正しい。その後、所定の硬度に固まるのに一定の時間がかかる。
次にフォークオイルを入れる。フォークを立てるため車体に取り付けてから入れようと思ったら、ケーブルやミラーが邪魔なので別の手を考える。センタースタンド代わりにしているビールケースの裏側の穴がちょうどよかった。フォークを二本とも差し込んで立て、 100円ショップで買った計量カップでフォークオイルを計る。イーハトーブの規定容量は158CC ± 2CCとの事なので、測りやすさとカップに粘りつく分を考え160 CCを計って入れることにした。
キャップを外し手を離すとインナーチューブがアウターチューブの中に沈みこんでスペーサーカラーとワッシャーのようなスプリングシートが外に落ちてしまう。オイルシールを交換してインナーチューブの動きがスムースになったためと解釈する。インナーチューブが落ち込まないように左手で握ったまま右手で計量カップを持ち、フォークオイルを注ぐ。 160CC全量注いだらキャップを閉める。もう1本も同じようにする。本当はオイルレベルを計ったり、隅々に行き渡るようにゆっくりチューブをストロークさせ、余計な気泡が抜くために時間を置いてから取り付けるのがベストだそうだ。しかし今回は他の作業にまだまだ時間がかかるので、そのまま取り付ける。
他の作業とは、フロントブレーキのハウジングのオイルシールの交換など。以前フロントアクスルシャフトをグリスアップしたついでにスピードメーターギアの古いグリスを取り除いて新しくグリスを注した。その時パーツクリーナーがなくなりキャブクリーナーを使ったらオイルシールの薄いゴムが傷んでしまった。このシールが効かなくなると、ドラムブレーキのハウジングの中にグリスが入り込む、ことになり怖いので交換する。古いオイルシールをマイナスドライバーでこじって外す。ハウジングの奥をこじって引き上げようとするが全然言うことを聞かないので、真っ正面の上からマイナスドライバーをねじ込んでこじる。ただはまっているだけだが30年以上外れないだけあってなかなか固かった。新しいシールはフロントフォークの時と同じく古いシールをあてがってハンマーで叩き込む。シールの外周にはグリスを塗っておく。シールの内側のメーターギアの周りはグリスが逃げてしまっていたので追加でグリスをたっぷりと注入。この部分をばらした時、ギアの周りだけグリスを注せば良くハウジングの中にグリスがたっぷり入っているのは無駄である、という説があるが間違っている。スピードメーターギアはウォームギアと言う複雑な構造のため回転とともにグリスが逃げてしまう。ハウジングの中にグリスをいっぱい詰めることでグリスの逃げ場をなくすのが正しい。初めてばらしたときにグリスがいっぱい入っているのが、メーカーがそうしている証拠。
いよいよフォークを車体に取り付ける。この時下の三叉から差し込んで上のトップブリッジに差し込もうとしたら軸がずれていて入らない。少し慌てたが三叉とトップブリッジはフロントフォークを差し込んで固定して初めて正しい位置関係になる。フォークを抜いたまま何日もハンドルを左に切っておいてあったので、軸がずれていただけだった。手で直して問題なし。
続いてフェンダーを取り付けようと思ってダストカバーをつけ忘れていることに気づく。フォークを抜いてダストカバーを付けてから改めて車体に取り付ける。カバーを取り付けるときカバーの内側、サークリップの上にグリスをいっぱいに注入。雨水が入り込んでもグリスが弾くのではないかと期待。やっとフォーク取り付け完了。フェンダーも取り付ける。
続いてフロントスプロケットのカバーのネジを交換。これは3番のプラスネジを2番のドライバーで緩めようとしたためになめてしまったもの。なめていないのも錆びていたので二本とも交換。
フロントタイヤを取り付ける。アクスルシャフトにはグリスを塗っておく。スピードメーターケーブルの取り付けは問題なし。ブレーキワイヤーの取り付けの時に時間がかかる。今回この取り付け方もわかったので書いておく。まずレバー側のケーブルを一度外す。ドラム側のタイコを弓形パーツに通してからブレーキシューを動かす軸に取り付ける。この時、軸と弓形アームには丸い点が打ってあるのでそこを合わせるのが基準。ブレーキシューの減りを表示するための矢印が刻印してある薄いプレートは、軸とプレートの切り欠きを合わせないと正しい位置に入らない。正しい位置に入っても、その後で弓形アームを押し込む時に、軸そのものが車体側に押し込まれることでプレートが外れてしまうので、意識して作業する。弓形アームを軸に挿すには切り欠きは関係ないようだ。アームを取り付けたらドラム側でケーブルを緩めるように調整して、レバー側のタイコをはめる。レバー側の遊び調整は緩めにしてドラム側でキツめにする。レバー側の遊び調整は切り欠きのあるボルトを抜き差しして調整するのでガタが出やすい。ドラム側は長い全ネジとナットの位置を調整するのでズレがない。
数時間後に試運転。10キロほど走ってフォーク、ブレーキとも問題なし。気のせいかフロントタイヤの動きが安定したように感じる。
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